今回ご紹介させていただきたいのは、京極夏彦さんによる「百鬼夜行シリーズ」。またの名を「京極堂シリーズ」。
どんなシリーズなのかと簡単に言いますと、ミステリー小説と妖怪小説が合体したら突然変異してとんでもない世界になった、っていう感じ。
どんな枠にも収まらない「百鬼夜行」というジャンルです。はい。意味がわかりませんよね。なので読んでください( ゚∀゚)
というわけで非常に有名で面白いシリーズなのですが、その脅威的な「分厚さ」のため興味はあるけど手を出しにくいという方も多いかと思います。
しかーし! 興味はあるけど読まないなんてとても勿体無いことです!だってとっても面白いシリーズ作品なんですから!読んでみたいな、と思ったら読む運命です。
まずは一作目『姑獲鳥(うぶめ)の夏』を読んで独特な世界観を堪能してみてください。圧倒されます。うひゃあ!ってなります。
「文庫本が分厚すぎて持ち運びしにくいよ!」という方は「分冊版」が出ているのでそちらをおすすめします。個人的にはあの分厚さが好きなのですけどね。
それではどうぞ、参考にしていただければ幸いです(* >ω<)=3
1. 『姑獲鳥の夏(1994年9月)』
記念すべき《百鬼夜行シリーズ》の一作目。まさに伝説の始まり、といったところ。
《百鬼夜行シリーズ》を読むならまずはこの作品から読みましょう。 登場人物のキャラクターと世界観をつかんでください。なかなかの長編ですが、読み始めればすぐに世界観とストーリーの虜になっちゃいますので。
二十ヶ月も身籠った娘、その夫は密室から消失。もやはミステリの枠を超えた素晴らしい小説です。ミステリ好きでなくても〈読書〉がお好きなら一度読んでほしいですね。
とにかく、自分に合うか合わないかを確かめるためだけでも読む価値ありです。
文庫で600ページ超えなのですが、これでもシリーズの中では薄い方ですからね。恐ろしいです。
この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。
2. 京極夏彦 百鬼夜行シリーズ. 『魍魎の匣(1995年1月)』
文庫本(分冊版ではないほう)にして1060ページという厚さ。「読むレンガ」です。
読むの大変だなー、と思うかもしれませんが、無駄な部分なんて全然なくて一度読み始めるとなかなかやめられません。休日を一日使って一気に読みたいですね(一日じゃ読み終わらないかも)。
美少女転落事件とバラバラ殺人事件。その関係性は。
小説としての完成度が本当に高く、 この作品がシリーズ最高傑作 という人も多いです。私もそう思います。胸を張ってオススメしちゃいます。
というわけで大変かもしれませんが、 一作目『姑獲鳥の夏』だけを読んで判断するのではなく、二作目の『魍魎の匣』までを一つの区切りとして続けて読んでいただきたいのです。
もし二作目『魍魎の匣』まで読んでも全く楽しめなかったなら、続けて読む必要はないかもしれません。
でも二作目まで読んで少しでも面白いと思っていただけたなら、ぜひ続けてシリーズを読んでください。最高です。
「加菜子を―死なせはしません」。被害者の姉は決然と言った。その言葉が刑事・木場を異形の研究所へと導く。中央線武蔵小金井駅で発生した美少女転落事故と連続バラバラ殺人事件に接点はあるのか?
タイトル
出版年
長編/連作小説
1
姑獲鳥の夏
1994
長編
2
魍魎の匣
1995
3
狂骨の夢
4
鉄鼠の檻
1996
5
絡新婦の理
6
塗仏の宴ー宴の支度
1998
7
塗仏の宴ー宴の始末
8
百鬼夜行ー陰
1999
連作小説
9
百器徒然袋ー雨
10
今昔続百鬼ー雲
2001
11
陰摩羅鬼の瑕
2003
12
百器徒然袋ー風
2004
13
邪魅の雫
2006
14
百鬼夜行ー陽
2012
15
今昔百鬼拾遺ー鬼(今昔百鬼拾遺ー月)
2019
16
今昔百鬼拾遺ー河童(今昔百鬼拾遺ー月)
17
今昔百鬼拾遺ー天狗(今昔百鬼拾遺ー月)
百鬼夜行シリーズのおすすめランキング
ここからは全作品読んだ私が、僭越ながらおすすめランキングを作成しました。ぜひご参考くださると嬉しいです! 1位 絡新婦の理(5巻 じょろうぐものことわり)
あらすじ
当然、僕の動きも読み込まれているのだろうなーー二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。
房総の富豪、織作家創設の女学校に拠る美貌の堕天使と、血塗られたノミをふるう目潰し魔。
連続殺人は発泡に張り巡らせた蜘蛛の巣となって刑事・木場らを眩惑し、絡めとる。中心に陣取るのは誰か?
日本推理作家協会賞 に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。
シリーズの中でも飛び抜けてグロテスクな描写で描かれる屈指の傑作。
「生きている人形」や「重体で医療機器に繋がれた少女が衆人環境で瞬時に消失」といった不可解な謎を初めとして、関連があるのかどうかも不明な複数の謎が散りばめられるが、最後は 京極堂 の憑き物落としにより見事に収束していく。
冒頭の美しい文章から、恐るべき事件の収束まで一気読みしてしまうほど素晴らしい。
アニメ化も映画化もされており、特にアニメの方はとても完成度が高いので、読むのを躊躇される方はアニメから入るのもありかもしれない。
歴代ミステリーを格付けした東西ミステリーベスト100の上位に入るほどの傑作をぜひ体感してほしい。
ただしSF的な要素を持つグロテスクな描写はくれぐれも注意が必要だ。
最後に
百鬼夜行 シリーズは下手な 自己啓発 書やビジネス書よりもはるかに学べることが多い。まだシリーズを未読の方は今すぐにでも『 姑獲鳥の夏 』を読み始めるべきだが、ページ数の多さに躊躇されるというのならば、まずはコミック版をおすすめしたい。
そして幻となった続編『鵺の碑』が近日発売とのアナウンスが出た。
すでにシリーズを通読された方もこの際最初から読み直されてみてはいかがだろうか。
〇おすすめ記事
!となります。その快感は何にも変えられないです。
それほど何度読んでも面白いと思える作品です。
3位 陰摩羅鬼の瑕(8巻 おんもらきのきず)
「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼二郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだーーー。
嫁いだ花嫁の命を次々と奪っていく、白樺湖畔にそびえる洋館「鳥の城」。その主「伯爵」こと、由良昂允(ゆら こういん)とはいかなる人物か?
そこに人殺しが居る! 」探偵・ 榎木津礼二郎 は、その場に歩み入るなりそう叫んだ――。嫁いだ花嫁の命を次々と奪っていく、 白樺湖 畔に聳える洋館「鳥の城」。その主「伯爵」こと、由良昂允(こういん)とはいかなる人物か?